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最近の労働情勢 「電通の女性社員の過労死自殺から」

電通の女性社員の過労死自殺から


 広告大手の電通に勤めていた入社一年目の女性社員=当時(24)=が昨年、12月25日クリスマスの日に自ら命を絶ちました。9月30日、労働基準監督署は長時間の過重労働が原因として労災と認定しました。月の残業時間は、過労死ラインの月80時間を大幅に上回る約105時間に及ぶものでした。また、上司からは 「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」「髪がボサボサ、目が充血したまま出勤するな」など、上司からパワハラとも取れる発言もあったと言います。また、彼女は「生きているために働いているのか、働くために生きているのか分からなくなってからが人生」というメッセージを発信しています。
 この問題は、長時間労働を基本に新聞、テレビでも大きく取り上げられました。彼女の死から違法な長時間労働と過労死自殺、パワハラ・セクハラの企業風土、広告業界の風土、そして見えてこない労働組合などの問題が浮かんできます。
 現在の労働時間のあり方は、事実上上限がなくなっており、36協定の見直しも含め政府の「働き方改革実現会議」で、長時間労働規制の法整備、総労働時間の上限規制などが取り上げられるとされています。ここでも、労働組合は?と思わされます。


組合員や家族・友人の時間外労働を調べなおしてみましょう

労働時間の原則は  

 労働基準法32条は、労働時間について「①使用者は、労働者に、休憩時間を除き40時間を超えて労働させてはならない。②使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き、一日について8時間を超えて、労働させてはならない。」と使用者側に責務を負わせています。この原則の例外は、36協定(時間外労働協定)、変形労働時間制などでおこなわれ、実際には、32条の上限違反を違反でなくし、大多数の企業では例外が原則化しています。
 労働時間とは使用者の指揮監督のもとにある時間をいい、手待ち時間、黙示の指揮命令下(入門時間を含む場合もある、休憩時間中の来客当番)にある時間を含みます。使用者には労働時間の適正な管理をおこなう(始業・終業時刻の確認記録など)責務があります。


36協定について 

 労働基準法第36条では「①過半数を代表する労働組合、過半数を代表する者との書面による協定を締結し、官公庁に届けた場合に時間外労働、休日労働をさせることができる。②厚生労働大臣は、延長の限度について基準を定めることができるとしています。」
 1項の過半数の労働者とは、非正規社員を含む全従業員です。過半数を代表する者の資格、選出方法は、管理監督者は入れず、挙手・投票によるものです。企業が指名した労働者が代表となるのはもってのほかです。
 2項の延長の限度の基準は行政指導による基準で強制力を持たないものです。基準は1か月45時間、1年間360時間となっています。しかし、限度時間(1か月45時間)を超えて特別の延長時間まで時間延長する抜け道が特別条項つき協定です。電通の場合は50時間でした。過労死の労災認定基準の80時間を超える条項がある企業も珍しいことではない状況があります。


 ネット等で、「残業100時間で過労死情けない」と投稿した大学教授のような企業風土、「自殺する前に、そんな会社は辞めてしまえば」という声がありました。長時間労働によるうつ病により判断力に障害をきたしていることなども肝に銘じておきましょう。
 なによりも、労働者の団結体である労働組合の協定違反の点検、組合員の意見の集約、健康の把握、助け合いなどが企業生活にとって重要です。ユニオン組合員も心がけましょう。
 


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