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カリフォルニア見聞記(アメリカの社会と労働者事情)(3)

国際女性デー

 さて、ロサンゼルスに2泊した後、37日に飛行機でサンフランシスコに移動しました。ロサンゼルスに代表される南カリフォルニアとサンフランシスコのある北カリフォルニアは、向こうの人たちにいわせると、南北でいがみなっているそう。私が住んでいたのは北なので、こっちの方がなんか安心感があります。今回はサンフランシスコを始め、オークランド、バークレー、デービス、サクラメントを訪ねました。

38日は国際女性デーでした。実は、その始まりはアメリカ。190438日に、ニューヨークで女性労働者たちが婦人参政権を求めてデモを行ったことを記念して、国連で定められました。今回は、州都サクラメントで行われた国際女性デーの集会のレポートです。

サクラメントの州会議事堂前広場で行われた「Hear Us Roar, Stop Sexual Harassment and Bullying」という集会。「私たちが吼えるのを聞きなさい(副題:セクハラとイジメをなくそう)」という意味です。吼えるのですから、すごい勢いです。労働組合や地域の団体の活動家たちが、代わるがわるマイクを持って、まさに吼えるような調子で、女性労働者や貧しい移民の女性たちがさらされている問題を訴え、闘いの連帯を呼びかけました。

女性活動家が賃金の女性差別の現状を訴えます。アメリカでも、男女の賃金格差は歴然としてあるのです。そしてその中でも、白人女性よりも黒人女性の方が低く、ヒスパニック系(メキシコを始めとする中南米からの移民)の女性は、さらに低賃金となっている現状が指摘されました。事実、Institute for Women’s Policy Researchによれば、フルタイムで働く労働者において、白人男性の賃金に比較して、白人女性の賃金は81.9%、黒人女性は67.7%、ヒスパニックの女性は62.1%しかありません。より低賃金の職種に、マイノリティーの女性労働者が多い、ということでしょう。

前回、メキシコ移民にまつわる話題を書きましたが、5兆円を超える産業であるカリフォルニアの農業を支えているのは、40万人といわれる農業労働者の9割を占めるメキシコ移民、と言っても過言ではありません。農業労働者の6割が合法的な滞在許可を持っていないこともあり、最低賃金以下で劣悪な労働環境を強いられている労働者は多いのです。

国際女性デーの集会では、女性の農業労働者に対するセクハラやレイプが頻繁に起きていること、女性労働者たちを守るためにみんなで立ち上がろう、という強い訴えがありました。実際、2010年にカリフォルニア大学サンタクルーズ校が行った調査によると、女性の農業労働者のうち8割が何らかのセクハラを受けた経験があるということです。

同じように、女性にとって危険な環境での労働を強いられているのは、夜間のビル清掃に従事する女性労働者たちです。小さな鐘を手にした女性たちがマイクの前に立ち、被害にあった女性の名前を一人ずつ読み上げては鐘を鳴らして、どんなに多くの女性労働者が傷つき、苦しんでいるかを訴え、彼女たちの痛みを参加者みんなで分かち合いました。名前を読む女性の声が徐々に震え始め、涙を流し、隣の女性に肩を抱かれていたのは、とても悲しいけれども、優しい光景でした。

自己主張をきちんとする、と言われるアメリカの女性たちでさえ、セクハラ被害にあっても抗議することもできず、じっと耐えている人たちが多くいる、ということは、最近の#Me Too運動でも明らかになってきたことです。だからこそ、セクハラに抗議し、やめさせ、女性の人権と尊厳を守るためには、みんなで団結して行動しなくてはいけないのだ、と思いました。

さて、この集会では、女性団体や労働組合だけでなく、女性たちの訴えを支援するいろいろな団体が参加していました。低価格での国民皆保険の導入に活動している団体、高騰する家賃を払えずにアパートを追い出されてホームレスになった人々を支援する団体、移民の人権擁護に活動している団体、などなど。私たちが日本で報道を通して目にする、トランプ大統領に代表されるアメリカとは一線を画する人たちです。アメリカの抱える問題を知るとともに、社会の弱者のために闘っている人たちのエネルギーを感じることができたのは、すがすがしい経験でした。

その中の一つが、「Boycott Driscoll’s」という運動です。Driscoll’s(ドリスコルズ)は、カリフォルニアにある会社で、ストロベリーやブルーベリーなどを販売しています。アメリカのベリー市場の3分の1のシェアを持つとか。そのドリスコルズが、メキシコで、低価格で農作物を買いたたくことで、農業労働者たちがまるで奴隷を思わせるような劣悪な労働環境と低賃金を強いられているのだそうです。

この苦境を解決すべく、メキシコの農業労働者が、労働組合を組織して、「ドリスコルズをボイコットしよう!」、という運動を始めました(https://boycott-driscolls.org/)。今回の国際女性デーの集会でも、Boycott Driscoll’sの横断幕が張られ、Boycott Driscoll’sを印刷したTシャツを着て、メキシコ労働者への連帯をアピールしていました。

日本の私たちも連帯に加われます!先日、近所のスーパーでブルーベリーを手に取ってみたらDriscoll’sの製品でしたから…。

国際女性デーHP

今回参加した集会の様子

ボイコット 

ボイコットドリスコルズのマーク。Hear Us Roarの看板の右下にも貼ってあります。

 (武庫川ユニオン機関紙6月号に加筆)



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