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入管法改正法案に反対する理由

安倍政権は、「労働力不足」を理由に、外国人労働者の受け入れ拡大を目指す入管法改正法案を今臨時国会に提出し、成立を目指している。これに対して、立憲民主党などは「移民政策を転換するのか?」と強く反発しているが、私はその主張に違和感を抱いている。

これまで外国人技能実習生の問題に携わってきた立場から、法案に対する意見を述べたい。

まずは、外国人労働者の現状を点検してから議論すべきだ。
外国人の就労については、在留資格などによって厳しく制限・管理されており、2017年10月末で国内の外国人労働者は約128万人。そのうち、約23万人(2016年)が技能実習生である。とりわけ技能実習制度は、諸外国から「強制労働」「人身売買」「奴隷制度」などと厳しい批判を受け続けている。この間の国会審議を通じて、徐々にその実態が明らかになっているが、今年4000人、昨年は7000人が失踪している。彼らは、日本に来る際、ブローカーに対して高額の保証金(50万円~100万円と言われている)を収めている。それを工面するため、親せきから借金をしたり、家屋敷を担保に入れたりしている。その保証金は3年間文句も言わず働いて返還される。それを放棄してまでなぜ「失踪」するのか。つまり、彼らは「失踪」ではなく、「緊急避難」ではないのかということだ。

契約とは違う低賃金・長時間の過酷な労働、あるいは最賃以下の時給で働かせ、タコ部屋、パスポートや在留カードの取り上げによる自由の拘束など、人権侵害が著しい。そんなケースが稀なのではなく、常態化している。日本人が寄り付かない仕事を、自由を奪って働かせているのだ。

「海外への技術移転」とは名ばかりの、単純労働の実態。実習生たちに「帰国後、この仕事のスキルを活かすのか?」との問うと、多くは別の仕事をすると答える。

今回の改正案で、「新資格を得るためには、その分野で『相当程度の技能』が認められ、日本語能力があることが条件となる」という。しかも、最大4.7万人受け入れるという。海外から「相当程度の技能」が認められる労働者をそれだけ受け入れるはずがない。

そして、受け入れを検討している14業種(介護、ビルクリーニング、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、素形材産業(鋳造など)、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設業、造船・船舶工業、自動車整備業、航空業、宿泊業)を見れば、どう考えても単純労働を目的としていることは明らかだ。

また、「外国人材」という政府の説明からもわかるように、安倍政権は外国人労働者を人間とは考えていない。安く使うためだけに外国人労働者の拡大を図ろうとする今回の法案には反対である。

                ブログ「アジェンデとビクトル・ハラ」より加筆
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