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大阪高裁 住友ゴムに賠償命令 原告7人全員 住友ゴムは控訴するな

 住友ゴム石綿損賠訴訟の判決が、2019年7月19日大阪高裁において、言い渡されました。神戸地裁で認められなかった原告も含め原告全員の被害が認められました
 住友ゴムの闘いは、在籍中にアスベストに暴露し退職後に中皮腫などを発症したことから、退職者がひょうごユニオンに加入し、団体交渉を求めたことに始まりました。会社は団体交渉に応じず、ユニオンは兵庫県労働委員会に救済を申し立てましたが、労働委員会は、雇用関係がすでに終了していることなどから、会社は団体交渉に応じる義務はない、と不当労働行為を認めませんでした。しかしひょうごユニオンは裁判でたたかい、神戸地裁・大阪高裁・そして最高裁は「住友ゴムは団体交渉に応じる義務がある」ことを認めました。
 その後、何回も団体交渉を重ねてきましたが、納得できる回答を得ることができず、本人1名と遺族7人が損害賠償を求め訴訟を起こしていました。2018年2月に神戸地裁は、住友ゴムの工場で石綿を含む「タルク」が使われており、会社は安全に配慮する義務を負っていた、と原告の主張を認めましたが、原告の内2名は時効などを理由に認められていませんでした。
 昨日の大阪高裁の判決は、神戸地裁で認められなかった2名についても訴えを認め、原告完全勝利の判決を出しました。
 ひょうごユニオン住友ゴム分会の正木さんは、在籍中から働きやすい職場を求め、闘い続けてこられましたが、退職後はユニオンに加入し、住友ゴム分会を結成し、退職者への聞き取り活動など継続し、アスベスト被災者とその遺族を組織して、団体交渉、そして裁判と支援されてこられました。その活動には頭がさがります。
 今回の闘いは2005年から始まりました。ひょうごユニオンは7月22日(月)11時半より、会社に上告しないよう求めるための要請行動に取り組みます。ご支援ください。場所は、住友ゴム本社前(阪神春日野道近く)です。
 弁護団の声明を転載します。



弁護団声明

                                                    2019年7月20日
                           住友ゴム・アスベスト訴訟弁護団
 大阪高裁第3民事部(江口とし子裁判長)は,2019年7月19日,住友ゴム工業株式会社に対し,石綿及び石綿を含有するタルクの粉じんに曝露し,石綿関連疾患に罹患した生存者1名を含む被災者7名全員に対し,計約1億円あまりの支払いを命ずる判決をした。被災者2名の請求を退けた1審神戸地裁判決(2018年2月)に比べて大きく前進した内容であり,原告らの請求をほぼ認めたものとなっている。この判決を勝ち得た理由として3つ挙げることができる。
 一つは,戦後まもなくの労働安全衛生行政とそれを支えた石川知福らの公衆衛生学の取組みが現在の司法によって認められたことである。本判決は,昭和24年2月に神戸工場を調査した石川らの報告書とこれを解析した熊谷信二・産業医科大学元教授の意見書に全面的に依拠している。
 二つ目は,戦後の労働者集団の労働安全衛生に関わる地道な職場活動が司法によって正当に評価されたことである。本判決は,その活動を担ってきた正木紀通氏らの証言を引用し,また,会社による消滅時効の援用については,退職者を組合員とする労働組合分会の団体交渉申入れを拒絶した会社の対応を不当労働行為とした最高裁判決を引用し,これを退けた。
 三つ目は,本訴訟に取り組む勇気を示された被災者本人やその遺族,これを支えた支援者その他多くの人々の努力である。本判決は,随所に,こうした努力をきちんと見ている判断や表現を示している。これに対し,本判決は,会社側は,被災者らが石綿粉じん又はタルク粉じんに曝露当時,どのような粉じん発生の防止等の措置をとったのか具体的主張はない,としている。
 弁護団はタルクの特性にまで踏み込んだ裁判所の判断に敬意を表するとともに,住友ゴムに対してはもはや上告せず,上告しているなら速やかに取り下げ,潔く企業としての責任を履行することを求める。


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